角田紘之
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Tsunoda Voice Training Studio
◇はじめに◇
声を司る喉は誰にでも同じように存在しています。
解剖実習での経験ですが、喉を実際あけてみると、存在の仕方はただ言語を喋るためだけにあるものではないと思わさせられます。
張り巡らされた数十もの筋肉、それらに守られているかのような喉頭、その中に実際に声を表出する声帯。楽器でいうところの弦みたいなものがあります。
素晴らしい、もともと歌うためにあるのではないかと思ってしまいます。
17世紀に一世を風靡した発声教師フースラーが言っていた
「人は生まれながらにしてみんな歌手」という言葉がとても腑に落ちます。
声をだす元になる声帯ですが単体では動けませんので、喉の筋肉の力が不可欠。
ですが、あまり喉の筋肉を使わなくてもよくなった現代社会。
喉の筋肉は萎縮し、どうやって動かせばいいかわからない人が多い。
こちらのレッスンでは、まどろっこしい姿勢矯正、腹式呼吸、表情筋トレーニング等一切やりません。もちろんこれをやって上手くいった方もいると思いますし、否定する気はありませんが、こちらをやるよりも喉の筋肉の動かし方、鍛え方を正しく学んでゆくほうが価値が高いと思っております。
■ミックスヴォイスとは
巷で流行っているミックスヴォイスはかなり混乱を呼んでいますね。
ミドルボイス、ヘッドボイス、スーパーヘッドボイス等、たくさんの声がありますが、これらの言葉もこの風潮を助長しています。
声というのは簡潔に機能的にいえば地声と裏声の二つに分かれているのみ。
【収縮】を担当する地声と、【伸展】を担当する裏声。
縮む声と伸びる声という感じでしょうか。
この二つがしっかり機能した時に、【良い声】になるのですが、実は、みなさんが今発している声も、歌っている時の声も厳密にいえば、ミックスヴォイスといえばばミックスヴォイスなのです。
ただ、音の高さに適した地声と裏声のバランスがあり、どちらかの声の力が強すぎたり、弱すぎたり、もしくはどっちの声だしてるかわからなかったりすると、上手く声がでない、ミックスヴォイスがでないということになるのです。
このバランスをとるのも喉の筋肉を上手くコントロールしていく必要があります。